変形性膝関節症 早めの治療で、日常生活を取り戻す。
変形性膝関節症の特徴
ひざ関節は大腿骨(太もも)と脛骨(すね)をつなぐ人体の中で最も大きな関節です。
滑膜(かつまく)と関節包(かんせつほう)に包まれていて、中は関節液で満たされています。
関節液の役割は、太ももの骨とすねの骨の関節軟骨がこすれてすり減らないようにする、潤滑油やクッションのようなものです。
関節液の主な成分はヒアルロン酸ですが、その量は年齢とともに減っていきます。
量が減ると潤滑油としての働きも低下することになります。
さらに、ひざ関節を支える筋力の低下や肥満などで関節に負担がかかり、軟骨どうしが擦れてすり減っていきます。
このとき、削られた軟骨のかけらが、滑膜を刺激することになり、関節内に炎症が起こり、腫れや痛みが生じてきます。
一言でいいますと、ひざ関節の軟骨がすり減り、炎症や変形を生じて痛みや腫れなどが起きるのが、変形性膝関節症という病気の特徴です。
軟骨のすり減る度合いがひどくなると、関節の縁に骨棘(こっきょく)ができたり、さらに軟骨が無くなって骨が直接ぶつかるようになります。
初期症状としては、動きはじめや立ち上がり時に痛むというものですが、症状が進むと、しだいに正座やひざの曲げ伸ばしがつらくなってきます。
また炎症がひどくなってくると、じっとしているときや寝ている間にも痛むようになります。
ここまで進行してきますと、ますます「痛みの悪循環」に陥ることになります。
さらに進行すると、関節水腫といって、ひざに水が溜まって腫れたりします。
変形性膝関節症の治療は、軟骨の変性(すり減り)が進むのを抑え、病気が進むのを防ぐ事です。
また、ひざの痛みやこわばりを和らげて、生活する上での不自由を軽減していきます。
つまり、できるだけこれまでの日常生活を取り戻し、不自由なく心身ともに健やかに生活していくことを目標としています。
ですから、軽症のうちに専門家に受診すること、軽症のうちに治療を進めることで、より質の高い日常生活を取り戻すことができます。
そのための第一歩は、自分のひざの状態をよく知ることです。
さらに、治療法について知ることも、病気を克服するうえで大切です。
ひざに痛みを感じたら、我慢しないで、早めに専門医の診察を受け、
痛む場所や、いつから、どんなときに痛むのか、日常生活にどんな支障が出ているのかを医師に伝えましょう。
- 整形外科にいくと、最初にレントゲン検査が行われます。
- 痛みの強い方はMRI検査を追加します。
- ひざ以外に腰痛もあり、最近背丈が低くなった方には、骨粗鬆症の検査を行います。
- また、ひざ以外にも痛む関節が多い方は、リウマチ偽痛風でないか、念のため血液検査を行います。
ひざ関節の上下の間隔は、通常4~6mmぐらいあるようです。 軟骨の状態は、体重をかけて撮影することで、膝関節の変形を確認し、すり減り具合を推測します。(すり減っていると、この段階で痛みがあります) MRIを撮ると、残っている軟骨の厚みをはっきりと眼で見ることができます。
レントゲン撮影の場合、正常なひざ関節では、軟骨は空洞となって見えます。
また、半月板や靱帯など関節内の主要な構造物の傷み具合を調べることもできます。
「偽痛風」はピロリン酸カルシウムの結晶によって起こる関節炎です。 とくに膝関節に多く発症し、時に多関節に及ぶこともあります。 痛風と似た症状ではあるが、高尿酸血症が見られないことから名付けられました。 ※痛風は尿酸塩の結晶が関節に炎症を起こして発症します。 ※ピロリン酸カルシウムは、肝細胞や軟骨細胞などさまざまな細胞から合成されるピロリン酸の濃度が上昇することで、軟骨内部でカルシウムと合成される物質のことをいいます。
この結晶が軟骨に沈着するために、軟骨石灰化症(なんこつせっかいかしょう)とも呼ばれています。
男女に関係なく、60歳以降に多く認められます。
(偽=にせ、真似る等)
とくに高齢により、関節の中の軟骨に出てくる物質ということです(上記)
検査の結果、どの段階にあるかを見極めてから治療開始です。