ひざの痛み予防改善のために大腿四頭筋を鍛える
大腿四頭筋は、太ももの前面にある4つの筋肉(大腿直筋、内側広筋、中間広筋、外側広筋)のことで、人の体の中でもっとも強い筋肉と言われます。
この4つの筋肉は骨盤から始まり、膝蓋骨(ひざのお皿)に付着し、一つの腱(膝蓋靭帯)となって脛骨粗面(ひざの骨の上部)へくっついています。
働きはいずれも膝関節の動き、伸展に関わっています。
(大腿直筋は股関節の屈曲動作、すなわち太ももを引き上げる動作にも関与しています)
脚の動作、すなわち大腿四頭筋によって成り立つ動作は、ただ単にひざの曲げ伸ばしにひとくくりできるもではありません。
言うまでもないでしょうが、スポーツでの動きはもちろんのこと、実は立っているだけでも大腿四頭筋を使い膝を踏ん張らせることで成り立っています。
大腿四頭筋炎は、ひざの上の部分や脚の付け根部分の痛みで、一般的には筋肉疲労が原因とされています。
(参照)⇒ひざのお皿の下側が痛い
仕事であれ、スポーツであれ、日常生活の中でのさまざまな動作の中で、過度の負荷がくり返しかかることで筋肉が疲労し、異常収縮を起こしてしまうのが大腿四頭筋炎症です。
これは、なにもスポーツなどの特別ハードな運動、動きに限りません。
歩く動作が多い仕事の人、また立ち仕事の人が起こしやすい疾患でもあります。(立っているだけでも負荷がかかっていることは上記のとおりです)
いずれにせよ、大腿四頭筋の使いすぎ(オーバーユース)は、炎症に限らず、大腿四頭筋が硬くなり、膝に傷害を起こしやすくなります。
[改善方法]
筋肉疲労により異常収縮を起こしているため、その筋肉の緊張を和らげるストレッチが効果的です。
ただし、大腿四頭筋に負担をかける原因が他にもある場合は、すぐに症状が戻ってしまいます。
それは足先からの歪みを意味します。
例えば、O脚の人は、大腿四頭筋の大腿直筋や外側広筋や下腿三頭筋に重心が通るようになるため、負担がかかるようになります。
逆のX脚は、大腿四頭筋の一つ、内側広筋と外側広筋との筋バランスが崩れています。
歪みがある場合は、その歪みの改善とともに、それらを作っている生活習慣上(姿勢等)の改善も必要です。
大腿四頭筋は膝と連動した筋肉であり、膝の障害と大きく関わっています。
炎症を除き、さらに鍛え強化することでひざの痛みや腰痛の予防・改善にも役立ちます。
予防が第一ですが、改善のための治療は正しい方法で行われなければなりません。