ひざのお皿の下側が痛い|ジャンパー膝の改善
ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)とは
膝蓋靭帯(しつがいじんたい)は、太ももの前面の筋肉である大腿四頭筋の末端にあって、すねの骨の上の部分に付着しています。
ひざのお皿のすぐ下に位置する腱です。
※膝蓋靭帯=膝蓋腱
膝の筋肉と共に、膝の動きや関節の固定・安定に重要な役割を果たしています。
【症状】
膝蓋靭帯炎は、膝蓋靭帯部分が負担の蓄積(ひざの使いすぎ)などによって損傷し、炎症を起こしたものです。
症状としては、ひざのお皿のすぐ下あたりに痛みと腫れが見られます。
ジャンプやランニング、とくにジャンプの着地で強い痛みを感じます。
膝蓋靭帯炎は、別名ジャンパーズニーとかジャンパー膝などとも呼ばれます。
このように呼ばれるのは、バレーボールやバスケットボールなどのようにジャンプや着地動作を頻繁に行ったり、サッカーのようにキック動作や急に走ったり止まったりなどの動作を頻繁に行うスポーツに多くみられるからです。
【原因】
飛んだり跳ねたりいった動作は、ひざの曲げ伸ばしを絶えず繰り返していることになります。
このとき大腿四頭筋(太ももの筋肉)の収縮筋力が膝蓋骨(ひざのお皿)と膝蓋靭帯の接合部に負担が繰り返しかかることで、靭帯(腱)にごくわずかな断裂や変性が生じて、炎症を起こすことになります。
ランニングの場合は、ジャンプと着地を繰り返している動作として捉えられます。
ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)がよく見られる年代
ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)の症状は10~20歳くらいの年齢によく見られます。
特に、骨の成長が一段落する高校生以降の男子、また背の高い人などに多いようです。
これは、成長期において骨の成長に筋肉(大腿四頭筋)の成長が追いつかず、膝の柔軟性が落ちて衝撃の吸収力が低下するためです。
【治療法】
基本的には、保存療法として安静、大腿四頭筋のストレッチ、テーピングやサポーター、消炎鎮痛薬の投与、理学療法としての温熱治療などが組み合わされて行われます。
運動前後に痛みが現れる場合は、ジャンプ動作の制限やスポーツの休止が求められます。
症状が和らいできたら膝関節のストレッチングや膝周辺の筋力トレーニングを行い、筋肉の柔軟性と筋力アップを図ります。
症状が強く保存療法も及ばない場合は、膝蓋靭帯の変性部分の切除や膝蓋骨へのドリリングなどを行う手術が施行されます。
靭帯が完全に切れる「膝蓋靭帯断裂」が起きた場合は、靭帯(腱)を縫合する手術が必要になります。
【予防と受診】
膝蓋靭帯炎の予防と再発防止に有効なのが、
太もも前面の筋肉である大腿四頭筋のトレーニングです。
筋トレやストレッチによって筋力と柔軟性を高めることで衝撃を吸収し、膝蓋腱に加わる負荷を軽くすることができます。
運動の前後のウォーミングアップやクールダウン時には十分にストレッチを行うことです。
特に太もも前面を重点的に行い、股関節も同時に伸ばすと予防に効果的です。
痛みが出てきたら、ストレッチに加えて運動後に患部を冷やすアイシングを徹底しましょう。
安静時には(できれば運動中も)テーピングやサポーターを装着して膝を守ります。
どうしても痛みが強い時は、とにかく膝を使う運動は中止し、患部を保護した上で早急に整形外科を受診してください。