ひざの痛みとタナ障害(滑膜ヒダ障害)
ひざを曲げ伸ばしするときに、
- ひざのお皿の内側がひっかかる感じがする。
- ”コキッ、コキッ”といった音がする。
- ひざに何か挟まるような違和感がある。
- ひざの皿の周りが常に重苦しい。
- 普通にしているとき、ひざの内側を押すと痛い。
- スポーツの時、痛みが強くなる。
ちょっとした違和感から強い痛みまで症状は様々ですが、上記のような特徴が見られる場合は、タナ障害(滑膜ヒダ障害)が発症している可能性があります。
タナ障害とは
ひざ関節の内部には、関節腔(かんせつこう)という空間があり、3つの膜でできた関節包でおおわれています。
3つの中で、一番内側の膜は、滑膜と言われ、この滑膜の一部がヒダ状になっています。(→滑膜ヒダ)
この滑膜ヒダを関節鏡で見ると、ちょうど棚(タナ)のようにみえるので、この名があります。
[滑膜ヒダの役割]
関節腔には水(正式には滑液とか関節液と呼ばれます)があります。
この水は、ひざの動きを円滑にするためにあるわけですが、滑膜ヒダはその水(滑液)を関節の表面に塗る働きをしています。
[原因]
このタナ状の滑膜ヒダが、スポーツなどでの酷使や、打撲や捻挫などの外傷によって、厚くなったり、裂けたりして、ひざを曲げ伸ばしする際に、膝蓋骨(お皿)の下に挟まれて、炎症を起こし、腫れや痛みがでる障害です。
- ひざの屈伸と打撲を伴うスポーツに多く見られます。
- 体質的に滑膜ヒダが厚い、あるいは大きい人が、ひざを酷使したり、ひざを強く打ったりすると症状が出やすくなります。
- 太ももの筋肉が疲労することで、筋肉が緊張し、滑膜ヒダの摩擦が強まることで症状が現れやすくなります。
<タナ障害が発症しやすいスポーツ>
バスケットボール、バレーボール、野球、ハンドボール、陸上競技など
1998年の巨人軍入団6年目のキャンプ中に左ひざを痛めたのが始まりでした。 このときの病名が「タナ障害」及び「軟骨破損」と言うことでした。 当時は、ひざ周囲の筋肉を鍛えることで手術を回避し、長期の離脱を免れたものの、このときの負傷が「古傷」となってその後も悩まされ続けます。 そのため、2007年にメジャーのヤンキースに移籍した後、同年と翌年2008年に、2度にわたりひざの手術を受けています。
[治療]
自覚症状があれば、まずは整形外科で、正しい診断を受けましょう。
症状の進行によって治療法が多少変わります。
<保存的治療>が中心になります。
軽症の場合は、スポーツ活動などを中止して、安静を保ち、アイシングや消炎鎮痛剤(シップ)などで炎症が引くのを待ちます。
また、痛みの出ない範囲での太もも(大腿四頭筋)のストレッチを行います。
<外科的治療:手術>
繰り返し痛みが生じたり、数か月にわたって痛みが引かない場合などは、整形外科を受診しましょう。
痛みがひどく、スポーツはもちろん、普段の歩行にも支障をきたすようになったら、痛み止めの注射をしたり、関節鏡下での手術になることもあります。