肩のこりや痛みを感じたら、どうする?
「肩こり」とは
専門用語では、「頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)」※といいます。
肩こりは、「肩」というよりもむしろ首のまわりのこりや痛みをさしています。(首から肩甲骨にかけての痛み)
※肩関節付近が痛いという場合は、「肩関節」の障害を疑う必要があります。(肩関節の疾患による痛み)
「五十肩」と呼ばれる肩関節周囲炎や、腱板断裂、石灰沈着性腱板炎などを言います。
肩コリは首の後ろから肩、背中にかけて張っている「僧帽筋(ぞうもうきん)」という筋肉に症状がおこります。
※僧帽筋(ぞうぼうきん)をはじめとする頭頸部から肩甲骨についている筋肉が肩、腕の重みをすべて支え、非常に負担がかかりやすい構造になっています。
肩こりの原因はライフスタイルにあります。
ほとんどの「肩こり」は、日常生活での習慣や、仕事、環境、性格などからの影響と考えられます。
日常の習慣や仕事の中に、骨盤から背骨、そして首の骨のつながりのバランスを崩し、筋肉を疲労させるものがあります。
- パソコン操作などでの長時間のデスクワーク
- 便利になったおかげで、歩いたり、体を動かすことに消極的になり、全身の筋力が低下している。 (筋力の低下は、内臓下垂を引き起こし肩への負担を増やす原因となります)
- 運動をしても後のストレッチをしない。
- 頬杖をついたり、脚を組んだりすることが多いのもそうです。
- 仕事の種類や職場環境により、緊張感が常にあると、同時に筋肉が緊張して硬くなりやすい状態にあります。
- また、家庭での悩みや、ストレスをためやすい性格の人にも同じことがいえます。
<疲労物質の蓄積>
「コリ」は首周り、肩の筋肉の「こわばり」「不快感」「重苦しい感じ」をいいますが、この「コリ」は筋肉への血行が悪くなることで、酸素や栄養が不足し、老廃物が蓄積されることで起こります。
不自然な姿勢を長く続けたり、精神的ストレスがあると、肩の筋肉が緊張して硬くなりやすい状態にあります。
そうすると、血液の流れが悪くなり、乳酸(にゅうさん)などの疲労物質がたまったり、ビタミンの補給がうまくいかなくなったりしてきます。
その結果、「筋肉がこわばって肩がこる」のです。
筋肉はグリコーゲン(糖質)を分解することによって収縮しますが、その分解過程で産出されるのが乳酸で、いわば燃えカスのようなものです。
この産出された乳酸は血液によって運び出され、肝臓の機能によってエネルギーとして再利用されますが、一部の乳酸は筋肉内に留まります。
留まった乳酸は筋肉を酸化させ、筋活動を阻害して身体に筋肉疲労を起こします。
肩のこりや痛みを感じたら、どうする?
- 自分なりにストレッチをしたりして対処する
- 市販の湿布薬を貼る
- グルコサミンやコンドロイチン入りのサプリメントを飲み始める
- 日中は肩サポーターをしている
- 温泉やサウナといった方法で、体を温め何とか改善をはかる
- 運動不足を補うために、体操やヨガを自己流であれこれ挑戦する
- 腕を動かさず痛みがおさまるまで我慢して待つ
- 整体・クイックマッサージ・鍼灸などに足繁く通い、根気よく治療を続ける
肩関節の痛みの症状の場合
- 整形外科でレントゲン検査を受け、処方された痛み止めで対処する
- 医者に言われるがままに、定期的に温熱療法をしてもらっている
- 改善が見られないので、ヒアルロン酸やステロイド剤といった注射に頼る
「肩コリ」の辛さにも個人差があるでしょうし、改善のためのアプローチもそれぞれで、そして効果も様々だと思われます。
問題は、上記のような肩のこりや痛みを取り除く方法を継続しているのに、慢性化している場合です。
何故、整体を受けたり、湿布や痛み止め薬、あるいはヒアルロン酸注射などで完治出来ないのでしょうか?
その理由は、結局のところ、肩のこりや痛みを引き起こしている根本的な原因に全く対処をしていないことがその一因です。
⇒四十肩・五十肩・肩関節周囲炎への正しい対処法