変形性膝関節症は女性に多い!?
多くの人が悩まされている膝の痛み。膝が痛いとどうしても歩くのがおっくうになるため、生活の質(QOL)が大きく低下していきます。
これが高じると介護を必要とするようなことになります。
2004年度国民生活調査(厚生労働省)によると、要介護となる原因の6.1%が関節症で第4位になっており、また要支援の原因としては何と17.5%を占めています。
そしてそのひざの痛みを訴える人の約9割が変形性膝関節症と言われます。
ある調査では、日本人の2400万人が、この病気(変形性膝関節症)の可能性があり、痛みを伴う患者数としては、男性で210万人、女性610万人と推計されています。(参考:東京大学東京・和歌山、50歳以上の疫学調査(平成18年)からの推計 ── 厚生労働省)
その変形性膝関節症の原因には年齢のほかに、遺伝、使いすぎ、けが、肥満などがあげられますが、
性別でいいますと、女性は男性の2倍なりやすいと言われています。(上記)
特に55歳を過ぎると多くなるため、女性ホルモンなどの影響もあると考えられています。
一般的に、女性は男性に比べ骨が弱い傾向にあります。
女性の場合、妊娠・出産によりカルシウムが不足がちな上に、閉経後は女性ホルモンのエストロゲンが減少することにより、骨が弱くなる(骨の密度が減少)可能性が高まります。
カルシウム不足や無理なダイエットが重なると、ますます弱くなります。
骨粗鬆症も女性の方が圧倒的に多いのもそのためです。
※エストロゲンには、軟骨成分を保護する性質があることが知られています。
それから、男性と比べて女性の場合は、筋肉の量が体重の比率に対して少ないことも関係しているようです。
体重を支えている膝の筋肉が弱い場合、少しでも衰えてくると、ひざへの負担が増すことになります。
又、上記の理由などから、男性よりも女性の人の方がO脚の人が多いといわれます。
このことが、尚更ひざへの体重負担増となります。
※O脚になると膝関節の内側の隙間が狭くなり、ひどくなると骨と骨がぶつかるようになり激痛を起こします。
太りすぎは禁物だけど、無理なダイエットも控える!
日常的に、ハイヒールなどのバランスの悪い履物を履いていると、よりひざに負担をかけます。
体重と筋肉の比率から考えると、肥満は特に影響が大きく、ひざ痛改善の妨げになります。
その影響は、男性よりも女性の方が高いということが考えられます。
太りすぎが禁物なのは当然として、無理なダイエットも控えなければなりません。
このように、いろいろと複数の原因が関連して女性の場合は特に、加齢とともにリスクが高まってきてしまうようです。
いずれにせよ、加齢に伴う膝関節の老化は防ぐことはできません。そのためにも、膝に負担のかかる肥満には注意し、日頃から適度な運動を心がけましょう。
痛みがあれば、きちんと専門医に相談し、自分の納得のできる治療や手術を受けることが大切です。