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外反母趾は保存療法が基本

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「外反母趾」とは、文字の通りに言いますと、母趾(足の親指)が付け根の関節から外側(小指側)に反っている(曲がっている)という意味になります。

 

専門的に言えば、足の親指の「母趾基節骨(ぼしきせつこつ)」が、付け根の「中足指節関節(MTP関節)から、「く」の字のように外側に曲がる病気です。

 

*中足指節関節(ちゅうそくしせつかんせつ)
*【英語名】MTP:metatarso phalangeal jointの略

 

文字通りに解釈すれば、母趾の変形ということですが、最近では外反母趾を足全体の変形として考えれるようになってきています。

 

外反母趾の特徴

①第一中足骨の内反
②母趾(足の親指)MTP関節部の突出
③母趾の基節骨(きせつこつ)の外転、回内変形
④開張足(足の幅が広くなってしまう前足部の変形のこと)

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【補足】

一見、付け根の関節が出っ張ったように見えますが、これは先端が内側に向いたためにそのように見えるだけです。(実際に骨が出っ張った状態は「強剛母趾(きょうごうぼし)」という他の疾患になります)

 

強剛母趾とは。

その多くは、重度の変形性関節症により、足指の関節上部に骨棘と呼ばれる骨の突起ができることで起きる症状をいいます。強剛母趾の場合は地面から指を反らした時に痛みを生じます。

外反母趾の症状

親指の付け根の内側の突出部(MTP関節周辺)が靴に当たるなどの刺激を受けると、“バニオン(Bunion)”と言われる皮下滑液包炎を生じ「はれ」や「発赤」(皮膚が赤くなること)、「疼痛」を伴うことがあります。

 

病状の進行とともに、親指が内側に回転して、爪が内側を向くことで、指に力が入らなくなり、「扁平足(へんぺいそく)」のような状態になります。

 

足の裏には、正常な状態では土踏まずというアーチ上のへこみがあります。土踏まずは体重を支え、衝撃を吸収するバネのような役目をしています。

 

足の裏全体が平になっている状態(即ち扁平足)になることで、他の指の裏にたこができたり、神経を圧迫する「モートン病」になったり、腱に炎症を起こしたりします。

 

※逆に、扁平足の人は外反母趾を合併しやすいので注意が必要です。

 

更に重度になり、

①親指が第2趾に乗り上げたり、もぐりこんだりするようになると、付け根の関節が脱臼することもあります。

 

同時に、

②第1中足骨と第2中足骨の間が広がったり、
③小趾(小指)が内側に曲がる「内反小趾」を合併したりすることも多い。

(内反小趾:足の小指の付け根の痛み、足趾の変形)

 

外反母趾の診断と程度

外反母趾の症状・診断レントゲン写真外反母趾の診察は、原則「足に体重をかけた状態(立位)」でレントゲン撮影をして行います。程度の正確性に欠けるからです。

 

外反母趾の重症度は「母趾基節骨」と「母趾中足骨」の中心線が交わる部分の角度(外反母趾角)で判断されます。(→図3 ①)

 

まず、外反母趾角が20度以上だった場合に「外反母趾」として診断されます。
そして、20度~30度を軽度、30度~40度を中程度、40度以上が重度になります。
(「日本整形外科学会外反母趾診療ガイドライン 2014 改訂第2版」より)

外反母趾は女性に多いとされる疾患

外反母趾を発症するのは大多数が女性です。年齢的には60歳以上の女性で、3人に1人が発症するとも言われています。

 

女性は男性に比べると関節や筋肉が柔らかく、骨が細いことから発症しやすいのではないかということと、加齢により、関節が緩くなることがその要因 と考えられています。

 

さらに外的な要因として、女性は、つま先の細いフォーマルな靴を履くことが多いことも関係していると思われます。

 

ところで、よく「ハイヒールが大きな原因」だと言われていますが、これは決してかかとが高いことが問題なのではありません。
つまり、「つま先が細い上に、そこに大きな負担がかかること」が要因です。ですから、ハイヒールを履かないから大丈夫というわけではなく、男性でも発症する人はいます。

 

一方、つま先のとがった窮屈な靴などまったく履いたことも無い10代など、若い世代で発症する場合は、外的な要因は考えられません。この場合、遺伝的な要因が強いと言われています。

外反母趾の治療

保存療法が基本

外反母趾に対する保存療法は、靴の指導、運動療法、装具療法、薬物療法に大別されます。
靴の指導
整形外科医から、足に合った靴を勧めます。基本的に、つま先が広く、柔らかい素材でできた、かかとの低い靴になります。

 

小さい靴を履いている子どもの足は形態計測で外反母趾角が増加していたという報告から、小児期から靴指導が外反母趾発症の予防につながる可能性がある(同上「ガイドライン」)

装具療法
外反母趾と装具
アーチのバランスを整えるために、インソール(中敷き)の使用が進められることも。
テーピングやサポーターによる矯正(これはあくまで一時的なものです)

 

薬物療法
炎症や痛みが強い場合には、抗炎症薬や痛み止めの薬を用います。

 

運動療法
外反母趾ホーマン運動
軽度の場合に推奨されるのが「運動療法」です。
母趾の外転筋を強化するために、足の指をぐー、チョキ、パー(親指を反らし、大きく広げる)と動かします。(目安:朝と晩、1度に30回程度)

 

足の指でタオルをつかむ「タオルギャザー」もお勧めです。

 

母趾MTP関節部が外側に曲がったままになるのを予防し、あるいは除去するために、ゴムひもを両足の母趾(親指)にかけて母趾を内側に引き寄せるHohmann(ホーマン)運動があります。

 

足指体操で予防を心がけましょう。

 

生活の中で、靴を履いている時間が長い現代にあっては、外反母趾の治療対象が増加傾向にあります。それを防ぐためにも、意識して足の指を動かすことを心がけましょう。

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外反母趾と手術

重度になると、つま先が細い靴を履いたり、あるいはちょっと歩くだけでも痛みを感じるようになります。そうなると当然歩くのがおっくうになり、生活の質(QOL)が大きく低下します。

 

しかし、きちんした治療をすることで、歩くことの喜びを取り戻すことができます。

 

もし、「保存療法」を行っても改善しない、あるいは症状を劇的に改善したい場合には「手術療法」を行います。

 

現在、その術式は100通り以上あるといわれていますが、大きく4つに区分されます。

 

「近位中足骨骨切り術」(TMT関節から1~2cmで骨きり術を行う方法)
「遠位中足骨骨切り術」(第一中足骨頚部で骨切り術を行う方法の総称)
「第一TMT関節固定術」(TMT関節で骨を切り、固定を行って第1-2中足間角を矯正する方法)
「第一MTP関節固定術」(MTP関節を中心とした骨切り術によって外反母趾角を矯正する方法)

 

それぞれの術式の適用は重症度によって異なります。術後の管理もありますので、入院は2週間程度ですが、全ての治療は2~3ヶ月程度が必要と考えられます。

術後に、骨をワイヤーやスクリューなどで固定すると、半年ぐらい後に抜去が必要な場合もあります。

 

近年では、できるだけ患者さんの負担が少ない術式が行われる場合もあります。

 

手術を行えば、再発することは、まずありえませんが、重度になればなるほど手術は大きなものとなりますので、早めに担当のお医者さんと相談することが必要かと思います。

 

少しでも足の痛みや指の変形を感じたら、一度、整形外科を受診してみましょう。


(引用・参考資料)
日本整形外科学会外反母趾診療ガイドライン 2014 改訂第2版

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