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成長痛によるひざの痛みとオスグット病

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オスグット病とは

 

正式名称は「オスグッド・シュラッター病」と言います。
これは、症例を発表した2人の外科医にちなんで名づけられたものです。

 

オスグット病用1

【特徴】

 

小学校の高学年から高校生くらいまでの、
特に、サッカーやバスケット、テニス、バレーなど、ジャンプしたり走ったりといった脚を酷使するスポーツをしてる子供達に多く発症する膝の関節痛です。

 

また、この時期は成長期にあたるため、成長痛といわれることもあります。(オスグッド病と成長痛の関係については、現在整形外科的には直接の因果関係はないと考えられています)


 

[成長痛とは]

 

成長痛は、いわゆる骨端症(こったんしょう)とも呼ばれ、成長期に成長軟骨(骨の端)の部分に痛みを生じる障害であって、病気ではありませんし、病名でもありません。

 

骨の成長に筋肉の成長が追いつかない状況にあるなか、激しいスポーツなどで重い負荷がかかった場合などに発症します。

 

痛みの出る部分としては、年代による骨の成長過程に合わせて異なります。

 

 

[成長痛とオスグッド病の関連性]

 

成長期はすべての子どもたちにありますが、オスグット病はすべての子どもたちが発症するわけではありません。

 

オスグット病の発症時期がちょうど子どもたちの成長期に当たるために、成長痛のひとつとされたのかも知れません。

 

成長痛にはいまだ明確に特定できない要素が多々あるようです。
時の経過(成長)と休養と適切なケアにより自然と治るのが通常の成長痛ですが、その不透明さゆえに、しっかりとした治療を必要とする病気があります。

 

[注意が必要な成長痛の病気]

・バナー病 ~ 肘の骨の病気
・キーンベック病 ~ 手首が腐ってしまう病気
・ペルテス病 ~ 大腿骨頭(股関節)が腐ってしまう病気
・第一ケーラー病 ~ 足の甲の内側の痛み
・第二ケーラー病 ~ 足指の根本が腐ってしまう病気

 

【オスグッド病の症状の特徴】

 

オスグット病図-2
運動時に強い痛みを発症する
膝の下部(脛骨粗面)に腫れがみられる
膝の下部(脛骨粗面)に熱感がみられる

 

脛骨粗面

 

 

オスグッド病は、激しい運動により脛骨粗面が引っ張られ、脛骨の一部が剥がれてしまったり、大きく隆起し変形してしまったりする骨の障害です。  

 

成長期の子どもの場合は、脛骨粗面(膝下)は、まだ軟骨部分が多く弱いので、運動などにより、繰り返し脛骨粗面に負担がかかると、同上の症状が出てきます。

 

大事なことは、オスグッド病の患者はたいてい最初は成長痛などと言われるのですが、「成長痛」は運動をする、しないに関わらず時期が経つと治るのに対し、いつまでも痛みがひかない場合はオスグッド病である可能性が高いということです。

[大人(成人)とオスグッド病]

 

大人(成人)になってからオスグッド病の症状が出るのは、成長期のスタートや終わりに個人差がある点が要因として考えられています。

 

中学や高校生のころに身長が急激に伸びますが、20歳以降にも伸びつける人もいます。

 

成人になってから発症する人に共通していることとして、10代でオスグッド病を発症した時に、早期治療、完全治癒にいたらなかったことがあげられます。

(軟骨が浮き上がった状態で固まったり、剥がれたままになっている)

 

問題は、成人してからオスグッド病が再発すると、治りづらくなることです。
10代の頃に比べて、体の治癒力や筋肉の柔軟性も低くなっているのがその理由です。

 

[診断]

オスグッド病の診断は、特徴であるひざ下部の上記症状と隆起である程度可能ですが、レントゲン(x線)検査を行うことで確定されます。

 

【治療法】
・まず、第一に安静にすること
  キックやジャンプするなどの動きのあるスポーツは控える。

・保存的治療を行う。

・ストレッチや大腿四頭筋の強化等を含むリハビリを行う。

 

極めて例外的ですが、
浮き上がっていたり、はがれていた成長軟膏部分(骨端線)がくっついた後に骨のかけらが残っていて、痛みのために活動に支障をきたす場合は、外科的治療である手術により摘出することもあります。
 
参考:松田整形外科記念病院

 

 

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