ストレートネックが増えている現代人
頭が重い…!
いつも首や肩の凝りで悩まされている…!
もしかしたら、「ストレートネック」から引き起こされる症状かも知れません。
あなたのストレートネック度をチェックしてみましょう
壁を背にして、自分にとって自然な”気をつけ”の姿勢で立ちます。
(力をいれずに…特別意識しないということです)
あなたの「後頭部」「肩甲骨」「お尻」「かかと」は無理なく壁についていますか?
もし、後頭部が壁に付かない場合は、「ストレートネック」の可能性があります。
症状の程度について
<軽度>
わずかにつかないだけ。
意識して、少し体に力を入れて頭を立てれば、すんなりと付く
<中度>
全く付かない。
それなりに意識し、頭を後に引くとどうにか付く。
<重度>
頭と首が大きく前に出ている。
かかと、お尻、肩甲骨の3点が付いていると、まず頭は付けられない
人の頭の重さは、体重の約10%と言われています。
その重さをさせているのが頸椎です。
首の骨である頸椎は、通常前方に向かって緩やかにカーブ(S字)していて、これがクッションの役割をして頭の重さを支えています。
また、頸椎がカーブしていることで、頭の位置が自然と後になり、背骨の真上に保てるようになっています。
この緩やかなカーブが失われてしまった状態をストレートネックといいます。
頸椎がストレートになった状態というのは、頭が後に保てないということであり、あごが突き出て頭全体が斜め前へ突き出た格好です。
こうなると、頭の重みがまともに頸椎(首の骨:頸椎関節)にかかることになります。
当然ながら、頸椎をサポートしている首周りの筋肉に大きな負担がかかります。
肩の筋肉も緊張しますので、血行が悪くなり、首や肩の凝りなどの症状が出てきます。
また、頸椎関節には多くの神経が通っています。
頭の重みで頸椎の関節と関節の間の隙間が縮まることで、隙間を通っている神経が圧迫され、手や腕のしびれ、頭痛といった症状が出てくることもあります。
ストレートネックの原因
ストレートネックになる大きな要因は、頭が前方に突き出した、いわゆる「うつむき姿勢」にあります。
実は、頭がわずか2㎝前にでるだけで、頸椎にかかる頭の重みの負荷は2倍に、4㎝前に出ると5倍の負荷かがかるとされています。
例えば、体重60㌔の人だと、頭の重さを6㌔(前出:体重の約10%)として、2㎝で12㌔、4㎝で20㌔の負荷ががかかると言うことです。これはかなりの重さといえます。
頸椎は、この頭の重みを必死に支え続けるうちに、だんだんとカーブが失われていってしまうのです。
現代は、パソコンやスマートフォンの普及により、”うつむいている”時間がかなり増えているのではないでしょうか。
あなたいくつ当てはまりますか?
- 真っすぐに立つと、頭と首が前に出ているのがわかる
- 一日に10回以上はスマホを見る
- 電車で座ったら、まずスマホを取り出して見る
- パソコンの操作を、1時間以上することがしょっちゅうだ
- PCはノートパソコンを使っている
- 座ると猫背になっている
- 「頭が重い」と感じることが多い
- いつも首や肩が凝っている
- お風呂は湯船に入ることがほとんどなくシャワーだけだ
- いつも半身浴をしている
- 結構高い枕でないと眠れない
※当てはまる項目が多い人は”要注意”
ストレートネックを改善する
頸椎関節は、いろいろな方向に曲げたり回したりできるように、やわらかくてしなやかな構造になっています。
そのためによくも悪くも影響を受けやすいことになります。
ストレートネックは、いわば”悪いクセ”がついてしまった状態です。
ですから、正しい位置を覚えさせることがその改善法になります。
とは言いましても、長い時間のうつむき姿勢で少しずつストレートネックになったのですから、もとの正しい姿勢に戻すにも時間がかかります。
大切なのは、継続して行うことです。
セルフケアの実際
顎(あご)押し体操
頸椎を手で後へ押し戻して、カーブを覚えさせるエクササイズです。
①背筋を伸ばして、頭を立てます。体の位置を動かさずに、頭をできるだけ前方向に出します。
②顎に指を当てて、頭と首を奥のほうへスライドさせるように、力を入れます。頚椎の下のほうを、後ろに押し込むつもりで行うとよいです。
※①と②を数回繰り返します。
※成れないうちは、壁などに背中をつけて行うとよいでしょう。
タオル睡眠法
高い枕をしていると、首や肩の筋肉が引っ張られ、緊張状態になっています。
また、頭を前に出した姿勢を続けていると、首の負担を減らすために、肩を丸めて顎を出すようになり、だんだんと猫背になってしまいます。
そこで、仰向けに寝ることで、肩が開き、腰が反れて、正しい位置に戻すことができます。
ところが、ストレートネックが進むと、枕がないと違和感があったり、頭が付かず、仰向けでは寝にくかったりします。
そこでおススメなのがタオル枕睡眠法です。
①まず、薄い枕にタオルを1枚ずつ巻いて、いつも使っている枕と同じ高さにします。
②数日したら、1枚ずつタオルを抜いていき、低い枕に少しずつ慣らしていきます。
※横向きになると、肩の分だけ頭の位置が下がるので、両脇に低い枕やタオルを重ねたものを置いておきます。
関節を緩める
ストレートネックになると、頸椎の一番上と後頭部の骨の間が狭まり、頭痛などの症状が出てきます。
この部分を緩めることで症状が緩和されたり、頸椎のしなやかさを取り戻せたりします。
①公式のテニスボールを2個用意し、ガムテープで巻いてつなげます(離れないようにしっかり固定します)
②頭と首の境目(※)に①のボールを当てて、畳やフローリングの床に寝そべります。
※後頭部を下のほうに触っていくと、後頭骨のでっぱりがあります。そのすぐ下の柔らかい部分が頭と首の境目です。
③ボールから受ける刺激が、おでこの方向へ向かうように感じられる場所がベストです。
※ボールが下へずれないように。
※体をリラックスさせ、1~3分間ほどじっとしておきます。(1日3回まで)
首を暖める
関節は、冷えると動きが悪くなり、トラブルを起こしやすくなるものです。
簡単に暖められる方法の一つが入浴です。
シャワーだけではなく、しっかりと湯船につかるようにすることです。
顎(あご)まで使って後頭部を暖めます。
目安としては、約40度のお湯に10分ぐらいつかるといいでしょう。
首がよく温まった状態で、”顎押し体操”をすると矯正効果が高まります。
※高血圧の方や体調に不安がある場合は無理はしないようにします。
普段の姿勢から
根本的なことは、「うつむく時間を減らす」ということです。
パソコンでの作業などで、椅子に座っているときは、骨盤を立てるように座りましょう。
背もたれのある椅子は、深く腰掛け、背筋を伸ばします(背筋に力を入れると骨盤が立って背筋がピンと伸びるはずです)
長時間になるとどうしても、猫背気味になってしまいますので、こまめに休憩をすることが重要です。
パソコンの場合は、モニターの高さに応じて椅子の高さを調整し、目線と画面が水平になるようにしましょう。