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肩腱板炎の症状と改善法

肩関節は私達の体の関節の中では、いろんな方向へ動かすことのできる関節です。

 

言い方を変えますと、それだけ多くの筋肉がかかわっているということでもあります。(肩関節の周囲には20種類もの筋肉があり、それらが連動して、複雑でありながらスムーズな動きを可能にしています)


 

 
その中で、関節の奥の方にあり、肩甲骨と上腕骨頭を覆うような形で安定させる重要な役割をしているのが腱板を構成する──

 

・棘上筋(きょくじょうきん)~ 肩の外転
・棘下筋(きょっかきん)~ 肩の外旋
・小円筋(しょうえんきん)~ 肩の外旋
・肩甲下筋(けんこうかきん)~ 肩の内旋

の4つの筋肉です。

 

※参考サイト→筋肉名称を覚えよう!

 

この4つの筋肉は上腕骨頭の上部、大・小結節と呼ばれる部分に腱となって付き、肩関節の回旋動作に大きく関わっています。

別名、回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)、あるいはローテーター・カフと呼ばれています。

 

※ローテーター・カフ=rotator cuff

 

※インナーマッスルとも呼ばれます。

 

<インナーマッスルの役割>
肩関節はいろんな方向へ動かせる分不安定でもあります。イメージとしてはゴルフボールとピンのような状態を想像するといいでしょう。それを安定化、つまり、あたかもピンからボールが外れることなく自由な動きを支えているのがインナーマッスルになります。

 

これら4つの筋肉(回旋筋腱板)は、肩関節の補強、及び肩関節の円滑な動作を補助しているわけですが、頻繁に腕の可動を繰り返すと磨耗により炎症を起こします。
また、加齢と共に老朽化し、俗に言われる「四十肩」「五十肩」の原因ともなります。

 

腱板炎がよく起こるスポーツとしては、野球の投球、ウエートリフティング、ラケットでボールをサーブする、水泳の自由形、バタフライ、背泳ぎといったものがありますが、痛みの大方の原因はオーバーユース(使いすぎ)によるものです。

 

その他、インナーマッスルの筋力が弱いとか、野球で言えば投球フォームなどの問題、ルーズショルダー(肩関節が緩い)など幾つかの要因もあります。


【腱板炎の特徴】

①野球の投球動作等、スポーツの運動時での痛み。

②洋服を脱いだり着る際の挙上痛

②重いものを挙げる際に痛み

③腕の骨から、肩甲骨に付く筋肉の腱の炎症

 

最初は夜の痛みで睡眠が妨げられたり、進むと少しの腕の動きで痛みを感じたりと普段の生活に支障をきたすこともあります。

 

【治療】

整形外科の医師による診断では、MRI検査が有用です。

 

・障害の主な原因は使いすぎにありますので、基本的には肩を休めます。

 
・物を前方へ押しやる動作、肘(ひじ)を肩より高く上げる動作を伴う運動はすべて避けます。

 

・安静時や夜間の痛みが強い場合には、内服薬や外用の消炎鎮痛剤、関節内注射により和らげます。

 

・ある程度落ち着いてきたら、肩の筋肉強化、特にインナーマッスルを鍛え、肩の腱板のバランスを回復させます。

 

※腱板が完全に断裂していたり、1年たっても完治しない場合とか、損傷が特に重度な場合は手術も行われます。

 
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