変形性膝関節症のステージと治療法
変形性膝関節症では、レントゲン写真を用いて、初期から末期までを5段階に分けて治療方法が選択されます。
変形性膝関節症の段階別症状(北大分類)と治療法
各ステージによって、原則的には治療法が異なります。
【初期】
ステージ1:骨が硬くなるまたは骨棘(骨のトゲ)ができる
関節のすき間は正常
症状の緩和と進行を食い止めるために
薬物療法
痛み止めの内服(炎症を抑える)
ヒアルロン酸の関節内注射(炎症を抑え、クッション効果をもたらす)
リハビリ
ひざの周りを鍛える
O脚予防の訓練
【進行期】
ステージ2:骨棘(骨のトゲ)あり
関節すき間が狭くなる(1/2以上残っている)
治療法としては、ステージ1にほぼ同等です。
ステージ3:骨棘(骨のトゲ)あり
関節すき間が狭くなる(1/2以下になる)
内側の関節軟骨が半分以上ダメージを受けているが、
外側の関節軟骨は正常な場合が多い。
治療法としては、若い方や力仕事をする方などには、
「高位脛骨骨切り術」を適応。
※変形性膝関節症のひとは、通常ひざの内側の軟骨を中心に痛めます。
(→O脚になる)
「高位脛骨骨切り術」はO脚をX脚にする手術です。
O脚は、内側の悪いところに体重がかかっていますので、手術により体重が、
正常に生き残っている外側に移動します。
※高齢で太っていない方や、余り活動性の高くない女性の場合は、
内側だけ人工関節に取りかえる「人工膝関節片側置換術」という
方法を適用することもあります。
【末期】手術による治療が選択されます。
ステージ4:骨棘(骨のトゲ)あり
関節すき間の閉鎖(消失して骨が接触)
ステージ5:骨棘(骨のトゲ)あり
荷重面の摩擦または亜脱臼(関節面が一部ずれた状態)
すり減った関節軟骨を切除して完全に人工の軟骨に置き換える
「人工ひざ関節全置換術」が選択されます。