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腱鞘炎 │手・指の痛み 

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(イラスト①②③④は日本手外科学会ホームページから引用)

 

腱鞘炎 ばね指 ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)

それは、ハンディターミナルを使う仕事でした。片手で操作しながらある作業を繰り返すのですが、いつからか親指の付け根あたりがとても痛くなってきたのです。

 

ハンディではあっても古いタイプなのか少々大きめで、その分指への負担が大きかったようで──、日に日に痛みが増してきた。

いわゆる腱鞘炎ですね。指が痛い上になんかカクンと弾かれるような状態に。ばね指と言うらしい。

 

「腱鞘炎」といえば、手首の痛みが多いのかと思っていたのですが、指にも多く見られるらしいです。

食事の時、痛みで箸が上手く使えず、しばらくフォークやスプーンを使っていました。
利き手が腱鞘炎ということで、歯磨きもけっこう難儀でして、しばらく片方の手を使うようにしていました。

これで左右両手が上手く使えるようになるかも…なんて思いながら。

 

整形外科に行くと、注射をすすめられ1回だけ親指の付け根辺りの痛い部分にその注射をしてもらいました。

これですぐ治ったわけではないのですが、仕事もあり安静にはしておれないので、どうしたものかと。

 

刺激を和らげ痛みを少なくするために、しばらくの間、親指専用のサポーターを装着していました。使い方によるでしょうが、私の場合けっこうボロボロになるまでつけていました。

 

「ばね指」と「ドケルバン病」


私の場合は親指の付け根あたりの腱鞘炎でしたが、「腱鞘炎」は様々な部位で発症します。手首が痛くなるのはよく聞くところですが、指にも多いようです。

 

手首にしろ、指にしろこの痛みが発症するとやはり厄介で、少なからずQOL(生活の質)に影響がでます。

 

人間は手一つとっても、極めて複雑で精巧にできているわけですが、使いすぎることでこのような疾患が出てきます。

 

足の「アキレス腱」といえば分かりやすいですが、筋肉とくっついている「腱」には、関節を曲げたり伸ばしたりする働きがあります。

 

手の指には、手のひら側に「屈筋腱」、甲の側に「伸筋腱」というのがあり、その働きは文字が示すと通りです。

また「屈筋腱」には、腱の浮き上がりを押さえる「靭帯性腱鞘(ジンタイセイケンショウ)」という”トンネル”があります。(図参照)

 

指の曲げ伸ばしをする時に、「屈筋腱」が「靭帯性腱鞘」の中を動くのですが、使いすぎによりここに炎症が起きると、滑らかに動かなくなり、痛みが生じたり、腫れたりします。
また「弾発(ダンパツ)」といって、腱が引っ掛かって、カクンと弾かれるような現象が生じます。(ばね現象)

 

病状が悪化すると、指が曲がったままの状態になり、伸ばせないこともあります。これは「弾発指(ばね指)といいます。

「ばね指」が一番多いのが母指で、次いで中指、薬指と なっていますが、他の指でも同時に発症することもあるようです。

 

 

「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」


手のひらを見ながら親指(母指)を広げたり閉じたりしてみてください。手首(手関節)の母指側の部分に腱が張って皮下に2本の線が浮かび上がり動くのが分かります。

 

※親指(標準)は、医学的には「母指(ぼし)」といわれます。

 

手首の2つの線は、短母指伸筋腱と長母指外転筋のことです。
短母指伸筋腱(タンボシシンキンケン)は、主に母指を伸ばす働きをし、長母指外転筋腱(チョウボシガイテンキン)は、主に母指を広げる働きをしています。

 

これらの腱が手首の背側にある腱鞘(上記2つの腱が通るトンネル)の部分で炎症を起こして動きがスムーズでなくなった病状を「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)といいます。

 

 

 

 

腱鞘炎 妊娠時や更年期の女性に起こりやすい!?

 

該当する部位の使いすぎが「腱鞘炎」の主な原因ですが、特に「ドケルバン病」はスポーツマンやパソコンのキーボードを頻繁に使用する人、若い人ではテレビや携帯型ゲーム機を使用している人などに見られます。

 

また、更年期や妊娠時、産後の女性に多いことから、女性ホルモンのバランス異常も原因のひとつではないかと考えられています。

また、生まれつき腱鞘が狭い人や「リウマチ」の人も発症しやすいと指摘されています。

→公益財団法人 日本整形外科学会</a公益財団法人 日本整形外科学会
 

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治療の第一は安静にすること

 

「保存療法」が基本


まずは、痛みを和らげること、それには痛むその部分への刺激を少なくすることです。
湿布をしたり、装具(サポーター)で固定したりしましょう。(それでも、仕事中ちょっとした弾みで指をぶつけて痛い思いをしたことがあります)

 

早く治したい場合は、先に述べましたが、整形外科で、腱鞘内に局所麻酔入りのステロイド注射をしてもらうといいでしょう。これにより炎症、痛み、腫れを抑えます。
8割以上の人がこの治療法で症状が改善するということですが、1回の注射では治らない場合もあるようです。

 

症状が続く場合は、何度か注射を行うこともあるということです。ただ腱に負担がかかるので、1~2週間に1回、最大3回ぐらいまでとされます。

 

 

「手術療法」


腱鞘炎で手術というのはあまり身近で聞いたことはありません。が「保存療法」で症状が治まらない、あるいは何度も再発する人、指が曲がったまま伸びないときなどは手術が行われます。

 

原因となっている腱鞘を切り離して、腱を開放するという手術になります。局所麻酔による15分程度の手術です。

腱鞘のほんの一部を切り離すので、小さな傷で済み、機能回復にも問題はありません。(参考1)

 

 

より安心 手外科の専門医に担当してもらう

 

大事なことは、痛みなどの症状があれば、早めに整形外科を受診することです。
「手根管症候群」「リウマチ」など、「腱鞘炎」と同じような症状を呈する病気との鑑別を受け、正しい治療を行うことが大切です。

 

※手外科の専門医を調べる→日本手外科ホームページ

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腱鞘炎

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